抱擁のかけら を観ました。

2009年のスペイン映画。
ペドロ・アルモドバル監督作品です。
~~~~~~~~~~~~~~あらすじ~~~~~~~~~~~~~~
1994年、映画監督のマテオ・ブランコは、オーディションにきた
女優志望のレナに一目で恋に落ちる。
だが、彼女は実業家で大富豪のマルテルの愛人だった。
それから14年後の2008年、盲目となっていたマテオは脚本家となり
ハリー・ケインと名乗っていた。マルテルの訃報を知り14年前の
忘れられない出来事が蘇る。
彼のエージェントのジュディットとその息子ディエゴとともに
なぜマテオ・ブランコの名前を捨てたのか?
盲目になった理由は何なのか?14年前の出来事を少しずつひも解き始める。。
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キャストは
元映画監督のマテオ・ブランコ/ハリー・ケインに、
ルイス・オマール。 女優志望でマルテルの愛人レナに、
ペネロペ・クルス。 ハリーのエージェントのジュディットに、
ブランカ・ポルティージョ。
ジュディットの息子で脚本家の卵のディエゴに、
タマル・ノバス。 大富豪の実業家マルテルに、
ホセ・ルイス・ゴメス。
ハリーに接触する若手映画監督のライ・Xに、
ルーベン・オチャンディアーノ。
アルモドバル映画ではおなじみの人ばっかりですね☆
14年前、監督として活躍していたマテオの前に現れた
女優志望のレナ。エージェントのジュディットは彼女を紹介する時に
マテオにこっそりこんな風に言います。
「マルテルの愛人だから演技力は確かね。
とにかく美しすぎる女よ!」美しすぎる女。。まさにそんな形容詞がぴったりの
ペネロペ・クルス!!!彼女が振り向いて微笑んだ瞬間
マテオは一目で恋に落ちてしまいます。
↑↑ 美しすぎる女 ペネロペ・クルス。一方、レナにとっても女優としての日々は
楽しく幸せなものでした。
元々彼女は
実業家マルテルの秘書だったのですが
二年前に父親が癌で大変な時に
いろいろと手配してもらってお世話になったために
彼と一緒に暮らし始めたのです。
マルテルに感謝の気持ちはあっても
それは愛ではありませんでした。ところがマルテルの方は、妻子がある身だったのに
レナが秘書の頃から
彼女に夢中です。
念願の女優になって家をあけるようになると
不安で不安でたまりません。
離婚が成立していたマルテルは
レナに、
結婚しよう!と言い出しますが
彼女はそれを
やんわりと拒否。その時にはもう監督のマテオとの愛が始まっていたのでした。
猜疑心の塊となったマルテルは
映画の版権を買い取りマテオとレナを監視します。
エージェントのジュディットもマテオとレナの関係に気付き
不安げに二人を見守ります。
↑↑ エージェントのジュディット。嫉妬に狂ったマルテルの行動は
段々とエスカレートします。
映画を完成させるまでは…と耐えていたレナも
ついに限界がきて、マテオと二人で遠くへ逃げます。

そしてこのあと起こる出来事によって
マテオは
一生光を失いマテオ・ブランコの名前を捨てて
ハリー・ケインと名乗るようになるのです。

↑↑ ハリー・ケインを支えるエージェントの
ジュディットとディエゴ母子。何が起こったのかはここには書きませんが
この映画に出てくる愛の物語は
マテオとレナだけのものではありません。
レナを愛する
マルテルの愛。マテオを愛する
ジュディットの愛。
いろんな
愛情や憎しみの糸が
複雑にからみあったお話です。
その他にも、父親マルテルに認められない
息子エルネストの憎しみや
ジュディットのディエゴへの母の愛など
とにかく、
人を想う気持ちが
たくさんたくさん出てくる映画です。
「気持ちを隠すのは上手だけど
嘘は言ったことないわ」エージェントのジュディットが
最後に明かす事実もびっくりだけど
すべてが愛のために起きた出来事。富豪のマルテルは忌み嫌われてますが
彼のレナへの気持ちも一貫しているので
私には特別悪い人には思えませんでした。
ちょっとあきらめが悪いけど…。なまじお金をたくさん持ってると
大抵の夢は叶っちゃうから
叶わなかったときの往生際が悪いのかもしれませんね☆
ちょっと方向が変われば
みんなが幸せになれたのかもしれない。
アルモドバル監督らしい
複雑で濃厚なストーリーでした。
ものすごくせつないんだけど
最後ほんのり暖かい気持ちになれるような、そんな素敵な映画だと思います。
とにかく
ペネロペ・クルスが魅力的!!映画の撮影で見せるオードリーっぽいメイクや
マリリンっぽいメイクも似合ってる。

“映画愛”に溢れた映画でもあります。
いろんな愛がいっぱいです!☆☆☆
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